阿蘇ぐらし・熊本ぐらし  by 木のいえ設計室くわくわ

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2015年 02月 27日

高断熱する家は健康的?

しばらく前は、高機密、高断熱、という言葉が建築業界を駆け巡った。

現在は断熱の話はするが、高機密、というより通気を止める、というような
言い方に変わっている気がする。

今、国がしきりにすすめている省エネルギー住宅エコポイントを使うための
住宅は、サッシも断熱材も2ランクも上げないと認められない。

グレードを上げて、補助がもらえるなら施主にとってもいいことづくめのように
見える。
でも、ほんと?

本当に施主のためを考えた制度なのか?

国がすすめている平成25年度の省エネルギー住宅の目標値はかなり高い。
そのためにしなければならないことは多い。
大規模な建築物にはすでに計算の義務もあり、これまで以上に確認申請が煩雑に
なった。

2030年には小規模な戸建住宅にもそれを義務づけることになるらしい。

大手のハウスメーカーや力のある中規模の工務店などは様々なことにも対応ができる
だろうけれど、1人親方や小規模な工務店などはますます仕事がしにくくなる。

とくに、伝統的構法で家作りをしている関係者には、この新基準は不評だ。
昔ながらの独立基礎の家を建てる際、構造計算を提出しないともちろん許可はおり
ないし、省エネ新基準の計算は計算自体がむずかしいと思う。
(現在、専門家達の有識者が検討をしている、というけれど。)

自然素材や安全な素材を使って、家を作ることがどんどんむずかしい流れを諸手を
上げて歓迎するのはいかがなもの?

すきま風の通る、寒い家が良い!とはもちろん思っていない。
でも、燃えれば猛毒の出る断熱材をぎっしり詰めている家は安心なの?

燃えない断熱材の工場で魅せてもらった実験では、断熱材は比較的低い温度で
燃えるか溶ける。その匂いは強烈だった。

消防関係者の話では、火事で亡くなる多くの方は、毒ガスを吸って意識を失い
逃げ後れたために焼死するという。

高性能の窓ガラスも使い方を間違えば、折角の冬の日射しと熱を家にいれられない
ことになる。

なんでもやみくもに取り入れる前に、一度たちどまって考えてみてはどうだろう?


私は今、そう思っている。

本物の木の家木のいえ設計室くわくわ



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by kuwakuwa39 | 2015-02-27 23:09 | 建築 | Comments(0)
2015年 02月 25日

奇跡の杉

「奇跡の杉」
船瀬 俊介著

この本を読んだことはありますか?

先日お会いした、伊藤好則さんが愛してやまない杉のことについて
書かれています。

伊藤さんの杉とのご縁は、伊藤 好則さんのご著書
「樹と人に無駄な年輪はなかった」
を読んで頂きたい。

伊藤さんと同じ位、杉に魅せられた人がいます。

埼玉県狭山市で加藤木材を営む加藤さんです。

加藤さんとの出会いも、天然住宅立ち上げの頃でした。
ものすごい乾燥機を作った人がいる。
そう聞きつけて、板橋の伊藤さんの事務所を
訪ねたのはもう6年程前のことになります。

日本の杉の山をなんとかしなくて
という気持ちで、模索中だった加藤さんが、伊藤さんの開発した愛工房の
中の黒芯の杉の板を見て、ただでさえ大きな目をさらに見開き、言葉を失くして
いたことを、今でも思い出します。

ホームページには、加藤さんの杉への「愛」が詰まっています。
加藤木材




愛工房で、杉の芯である黒い部分、赤い部分を乾燥させた時、その木は杉本来の
精油が豊富な艶のある美しい板になります。
加藤さんは、これらのなかなか乾燥の難しい素材が愛工房に入るとすばらしい素材に
なることが半信半疑だったと言います。

なぜそんなに早く乾燥するのか?
低温であるにもかかわらず?
なぜ角材は内側から乾燥するのか?

伊藤さんの分析、実測結果、データを、加藤さんなりの仮説で解いてみたり。
そうして、愛工房で乾燥した杉を「香杉」として販売することになった訳です。

お二人ともに、愛工房に抱かれた杉の木たちが、乾燥された他のものとは違う力を持って
いることを伝えます。

ではそれはどういうことなのでしょうか?

私は大工、設計者として家の空気質にとてもこだわってきました。
そして、埼玉で伐採された杉、関東近県の木材を出来るだけ使うようにしてきました。
肌に優しく、心に柔らかな無垢の国産の木材を使わせていただいてきました。

その中でも、杉の木は構造だけではなく、内装材として壁、床、天井、と使ってきました。

東京のマンションのリフォームのご依頼をいただいた時、加藤さんに工事を依頼して、
愛工房の杉を使ってのリフォームをお勧めすることにしました。

お体の弱かったお嬢さんが、少しでも元気になっていただきたかったからでした。

テーブルや家具も加藤さんにお願いして、香杉で作ってもらいました。
毎日肌に触れるものだから、本当に良いものをと。

当時、うかがったお話では、お嬢さんの状態が今までと違うということでした。
状態が上向いている、と。
お仕事をさせていただいて、こういうご報告をいただくことが一番うれしい。

それは子どもたちでも、ご高齢の方でも同じです。

なぜ体調が良くなるのでしょう?

愛工房の乾燥室に入ると、まず呼吸がとても楽になります。
杉の香りがすーーっと肺に入ります。
鼻腔が広がる、という感じもあります。
一緒に乾燥室にいる杉の木たちが、愛工房の中で気持ち良く過ごすのと同じように
人間もその恩恵に浸っている感じ。

杉そのものが放つ成分なのでしょうか?
乾燥室の中に秘密があるのでしょうか?

サラサラの汗が出る。ということも不思議でした。
岩盤浴をすると、同じようにサラサラの汗が出ますね。
身体に無理のない水分の移動が、暑くてかく汗とは違うものになっているのでしょうか?
成分の分析をしてみたら、面白い結果が分かるのかもしれません。

生命のあるものに触れると人は元気になります。
無理なく、嘘なく、自然に。
だから、森林浴をしたり、木に抱きついたりしたくなるのでしょう。

我が家は、宮崎の諸塚村の杉の木を頂き、床に張っています。
壁には漆喰を塗っています。
熊本に移り住んで、風邪をひいたのは2回。
あとは元気に暮らしています。
生きている木のおかげでしょうか?

もっと木を。もっと杉を。

山も元気に、人も元気に。

大切な日本の財産です。
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by kuwakuwa39 | 2015-02-25 22:42 | 健康に暮らす | Comments(0)
2015年 02月 23日

本物

今日、およそ5年ぶりくらいに大切な方とお会いした。

この方は、東京板橋に自らが開発された木の乾燥釜を公開して、沢山の人々に
杉の木の素晴らしさを伝えている伝道師だ。

愛工房の伊藤さん。
愛工房


私が天然住宅立ち上げのお手伝いとして参加したころ、紹介いただいた方だ。

愛工房の乾燥釜は、45℃。
一般の人口乾燥釜では通常100℃を越える高温で一気に乾燥をかける。
もちろん、効率が一番だから。

そして、力のない繊維細胞がぼろぼろになった、カスカスの素材になってしまう。
乾燥釜を持つ製材所に行くと、釜の外部に黒いドロドロの液体が流れているのを
みることになる。これは、樹皮(タール)。本来、木の中に閉じ込められているはず
のものを無理矢理に引き出してしまうのだから、杉の木の素晴らしさの半分は
失っている。

愛工房の釜は、低温で中に人間が入って、さながらサウナのような状態でしばし
過ごす、というイベントを開催してくださる。
アトピー、ガン、精神疾患、不眠、などなど数え上げればきりがないほど、改善した
という体験談も聴く。ただし、効果があります、と決して謳ってはいない。

私も参加した体験者として、本当に不思議な空間だった。
一般のサウナに私は10分といることができない。
熱さと息苦しさとあの密室状態に却って、ストレスを感じてしまうからだ。

でも、この釜の中では鼻腔が開き、肺の中に入る空気質が杉の成分を含むから
だろう、本当に気持ちがよいのだ。

日本には、古来、味噌、醤油、酒、経木など、食品を保管するために杉は使われて
きた。それは抗菌作用が強く、カビなども発生しにくいということだった。
プラスティック製品に押されて、杉の容器は使われる場がとても狭くなってしまった
けれど、昔からの知恵は今なお、生き続けている程に、すばらしい素材だった。

伊藤さんとお会いしたのはお昼。
そしてお別れしたのは6時。
ずっと、杉やミツバチや人としての話をしてくださった。

東京にいると、どうしてもお忙しい中でのお話なので出来なかったようなことも
今日はじっくりとお話することができたのだ。

幸せな時間だった。

伊藤さんは、60歳からが本当の人生、と本に書かれている。
熊本に来て、設計者としての自分をなかなか認識していただけないことに
落胆し、諦めかけていた私は、伊藤さんから何を言ってるの!と叱咤されてしまった。

本当に良いものをお渡ししたい。
人が子どもたちが、元気に健康に安心して暮らして行ける家を設計者として
お渡しして行きたい。

心からそう思った。

仕事をするためではない。
本物を知っていただくため、本物の木の家に暮らしていただくためだ。

住む人主導の家づくりを実現すること。
業者の思惑に振り回されない家づくりを実現すること。

そのためにこそ、設計者は存在している。

私は設計者。
工務店ではない。

そこに住む方の代弁者として、ベストな方法を提案し、工事を監理する。

私は設計者。
そんな私とご縁のある方が、きっと熊本の地にもいらっしゃる。

諦めることをしない、伊藤さんの言葉に私は設計の仕事を始めたころの
初心を思い出した。

良い家に住んでいただきたい。
子どもたちが健康に育ってほしいから。と。


伊藤 好則さんのご著書
「樹と人に無駄な年輪はなかった」
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by kuwakuwa39 | 2015-02-23 19:48 | 建築 | Comments(0)