2008年 12月 22日
私の友人は長崎で設計事務所を開いている。 梵建築工房 無垢の木と左官の美しい家を作リ続けている、私の大先輩でもある。 彼は友人とともに、NGOが支援するカンボジアの木工を学ぶための学校の設立に 向けて、その設計をボランティアで行ってきた。 先日、竣工された学校のお祝いを兼ねて、カンボジアに出向いた。 今回の旅の話しを聞いた時、学校の話しよりも先に、ある親子の話しを してくれた。 友人はホテルのロビーでコーヒーを飲んでいた。 そこへ、物乞いの親子らしい人影が近付いて来た。 様子を見ていると父親は目が見えないらしく、幼い娘が彼の手を ひいてゆっくりゆっくりと歩いてくる。 友人は紙幣を渡した。 そばにいたホテルマンが、カウンターから出て、娘さんにスプライトの 缶を手渡したという。(追い払うかわりに!) 彼女達は静かに外へ出て、父親を安全な場所に座らせた。 嬉しそうにスプライトの缶を開け、父親の手の渡した。 父親はためらいながらも一口飲むと、すぐに娘に手渡そうとした。 所が、娘はもう一度父親に缶を持たせて、父親にのむように促した。 そして、幸せそうに彼が飲む姿を見つめていたという。 たった、これだけの話し。 でも、これを聞いた私は何も言えなくなってしまった。 親子はおそらく、家を持たず、安らげる場所もない。 目の見えない父親は、幼い娘の助けがなければ日々の生活にも事を欠く 暮らしなのだろう。身につけている衣服を見れば、彼らの暮らしぶりを 推し量ることが出来た、と友人は言った。 もし、これが日本だったら? 家族のつながりや、子供へ、親への愛情のありかが、まったく違う所に いってしまった気がしてならない。 木のいえ設計室くわくわ
by kuwakuwa39
| 2008-12-22 00:09
| 家族
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